西遊記 第3巻 「夢の国」


私には母がいました。
・・・でも、今は・・・

遅くなりましたが第3巻をアップです。
今回、切ないです(泣)

悟空が屋根の上で昼寝をしている頃、三蔵・悟浄・八戒はそれぞれの夢について語り合っていた。八戒は天竺へ行っておいしいご馳走を食べる事、悟浄は天竺へ行って美人に会う事、そして三蔵様は天竺へ行ってお経をいただき世の為人の為に使おうと・・・だけど、三蔵の心の奥には母の事を思っていたのでした。そんな時、凛凛によって悪戯をされた悟空が暴れていた。
凛凛はこの先に宝がある寺があるのだと言って一行について行こうとするが途中で消えた。その代わりに一行の目の前に立派なお寺が建っていた。そのお寺・何でも願いが叶えられるという夢現寺の僧侶に案内されて豪勢なご馳走でもてなしをされる。住職である獏念に話を聞くとここの寺で夢を見ると願いが叶える事が出来るとの事。まさかと思いつつ眠りに付くが、昼間に寝た悟空は中々眠れない。
翌朝、悟空が皆の元に行くと八戒はご馳走を食べ、悟浄は美女に囲まれながらキュウリを食べ、そして三蔵は自分の母だと紹介をして過ごしてるのを目の当たりにする。他にも足が治った人、若さを取り戻した人、亡き恋人をよみがえらせた人と願いを叶えた人がいた。ちょっとお手洗いをしようと窓から出て見ると何とお寺の裏はハリボテになっていた。皆に伝えようとしたが迷ってしまい、凛凛とはぐれた場所である門をくぐったとたんにガラスの破片のようなものに閉じ込められたようだった。
門の外にいた凛凛が閉じ込められた悟空のいる破片を拾い上げると、悟空達は獏のいる世界に閉じ込められたらしいという。獏には二種類あって、一つは夢を食らうのともう一つは現実を食らうというらしく、後者の獏により夢を見せられてその代わりに現実を食べられるという。その獏から逃れる事は出来ない、なぜなら夢は頑丈な牢獄になるからと・・・。
悟空はその事を皆に伝えようと凛凛のアドバイスにより眠らないように赤唐辛子を貰って急いで寺に戻る事にした。獏念に皆を戻せと言うが、獏念が言うには夢を叶えた者が現実へ戻すのは残酷だと・・・。その証拠に祭壇にある大きな箱を少し開けて一つの黒い塊を飛ばすと戸の向こうから悲鳴が上がった。足が治ったはずの青年が再び足が動かなくなったのだ・・・。そんな残酷な現実に戻った青年に獏念は「夢を見るのです。そうすれば再び歩けるでしょう」と囁く。また青年は眠りに付くと青年から先ほどの黒い塊が出てくる。それをなめる獏念・・・それでも悟空はお師匠さんを元に戻せと言う。三蔵が目を覚まして早くここから出ようと促すが、さっきまでいたはずの母がいない事にショックを受け、再び眠ってしまおうとする三蔵・・・悟空は必死で天竺へ行くのがお師匠さんの夢だろ、仲間だろと説得をするが、三蔵はここで旅を終わりましょうと言い出す。そこへ獏念がやってきて、現実へ戻るのは無理な事だと告げる。悟空は赤唐辛子で眠気を覚ましていたが、力尽きて眠ってしまう・・・。
三蔵の母が「ここにずっといましょう」と言うが、三蔵はいつもは怒らなかった母が唯一怒った事があるとそれは、仲間を大切にしなかった時で母はいつも仲間を大切にしなさいと言っていた。「私の母は居ました。今はもういません・・・。」と告げるとその場を去った。閉じた戸の向こうには母の必死な声が聞こえてた・・・「ごめんなさい」と何度も謝る三蔵・・・。
眠ってる悟空を起こして皆を助けようとするが、目覚めた悟空は如意棒を出せなくなっていた。どうやら悟空は人間になる夢を見てしまったらしい。何とか自力で皆の現実が閉じ込めてある箱をこじ開けようとするが、悟浄達がやって来て、止めてくれと言い出す。だが三蔵がお経を唱える中、悟空は蓋を開け、現実の塊が皆の下へ飛んでいく。そして現実へと戻った皆・・・悟空は「皆・・・ごめん」「これでいいのかもしれません・・・」と、三蔵。だが、獏念を何とかしないと元の世界へ戻れないので悟空達は獏念の元へ。
実は獏念は現実を食べるという願いが夢であった。祭壇で揺れていた振り子を如意棒で止めると、夢の世界が崩壊をし始める。獏念は夢が破れたので夢と一緒に消えると言い出すが、悟空はお前も来いと無理やり連れ出す。
元の世界へと無事に戻り、天界からやってきた老子に獏念を引き渡し、眠くなってきた悟空。
三蔵は八戒や悟浄に自分は母の願いでもある天竺へ行き有難いお経をいただくのが夢だと、そしてそんな自分についてきてくれるか?と聞くと、ついていきますと八戒、私が居ないと厠へも行けないでしょ?と言う悟浄。そして、八戒は「あの人は大丈夫でしょうか?」と言って皆は瞼にいたずら書きをされたのを気付かずに眠っている悟空を見るのだった。

甘い夢もあるから苦い現実もあるのかも?

今回は三蔵様が主役の第3話です。本当に切ないです。
今回の妖怪は夢ではなく現実を食らう獏です。願いがかなう夢を見せる代わりにその人の現実を食べると言うのです。ある意味、手ごわいかもしれません・・・現に現実で叶えられない夢が夢の中で叶えられて現実へ戻りたくないという人がいっぱい囚われているのですから・・・。
私も夢に逃げたいと思う時がありますが、やっぱり現実でも暮らしたいと思ってます。だって、良い夢ばっかりって言うのも飽きますし、現実には好きな番組やゲームとかが出てるので(^^;)だからまだ大丈夫だと思ってます。
(話はそれてしまいましたが)悟空が言うように明日があるから現実に絶望はしないかもしれません。夢に逃げるのはよくないと言いますよね・・・。
獏念は夢から覚めたら残酷な現実が待っているから夢から覚ますのは鬼だと言います。悟空はそれでも鬼になってやる明日共に生きる筈の人が悲しむからと。
でも、夢へと逃げてるのは獏念も一緒だったのですね・・・。獏念の願いは人の現実を食らう事ですから。
皆が止める中、現実を取り戻す事が出来た悟空は皆にごめんと言ったのが印象的でした。やっぱり現実の苦しさを目の当たりにしたから分かる事なんですよね。
一行のそれぞれの夢も分かりましたよね例えば、
八戒の夢:天竺のご馳走を食べる事→一族の代表として天竺へ行く事
悟浄の夢:美女にもてる事→たくさんの罪を償う為に天竺へ行く事
そして悟空の夢は、人間になる事(人間は強い心を持ってるから)と言う事ですね。
そして、美女に囲まれて大好きなキュウリを食べ放題という夢を叶える事が出来た悟浄は頭が良いですね(笑)

それにしても凛凛・・・どうやら門の妖術に驚いていたのですが獏の事について詳しいので本当に正体は何でしょうか?(汗)
悟空の観察日記
気になる謎
これからは気をつける事

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